テスト
Python SDK には、インメモリトランスポートを備えた Client クラスが付属しています。サーバーオブジェクトを渡せば、そのサーバーに直接接続します。
サブプロセスも、ポートも要りません。トランスポートすら使いません。FastAPI の TestClient と同じ発想です。
基本的な使い方
ツールを 1 つだけ持つシンプルなサーバーがあるとします。
from mcp.server import MCPServer
mcp = MCPServer("Calculator")
@mcp.tool()
def add(a: int, b: int) -> int:
"""Add two numbers."""
return a + b
以下のテストを実行するには、追加の(開発用)依存関係が 2 つ必要です。
uv add --dev pytest inline-snapshot
pip install pytest inline-snapshot
Info
このドキュメントは、pytest をすでに知っていることを前提にしています。
inline-snapshot は、以下のテストで結果オブジェクト全体を 1 行でアサートするために使っているライブラリです。テストの出力を、コードにあるとおりの snapshot(...) リテラルとして記録します。使いたくない場合は import を削除し、ほかのテストと同じように、関心のあるフィールド(result.content[0].text == "3")をアサートしてください。
テストは次のとおりです。
import pytest
from inline_snapshot import snapshot
from mcp import Client
from mcp.types import CallToolResult, TextContent
from server import mcp
@pytest.fixture
def anyio_backend(): # (1)!
return "asyncio"
@pytest.fixture
async def client(): # (2)!
async with Client(mcp, raise_exceptions=True) as c:
yield c
@pytest.mark.anyio
async def test_call_add_tool(client: Client):
result = await client.call_tool("add", {"a": 1, "b": 2})
# Drop the server identity stamp in `_meta`; it is not what this test is about.
result.meta = None
assert result == snapshot(
CallToolResult(
content=[TextContent(type="text", text="3")],
structured_content={"result": 3},
)
)
trioを使っている場合は、代わりに"trio"を返してください。詳しくは anyio のドキュメント を参照してください。- このフィクスチャは接続済みのクライアントを yield します。
clientを受け取るテストごとに、同じサーバーへの新しいインメモリ接続が用意されます。
これで準備完了です。あとはテストを拡張して、さらに多くのシナリオをカバーしていけます。
なぜ raise_exceptions=True なのか
問題が起こりうる場所は 2 種類あり、このフラグが関わるのはそのうちの一方だけです。
ツールの内部で発生した例外は、プロトコル上の失敗ではありません。is_error=True の付いた通常の結果になり、モデルがそのメッセージを読みます。raise_exceptions はこの挙動を変えません。指定してもしなくても、call_tool は同じ is_error=True の結果を返します。これについては専用のページがあります。エラーの処理 を参照してください。
ツール本体の外側で起きた失敗は事情が異なります。Client(mcp) で得られる接続では、クライアントの目に触れる前に、サーバーがその失敗を汎用の "Internal server error" にサニタイズします。予期しないクラッシュの詳細は、リモートの呼び出し側に決して漏らしてはいけないからです。しかしテストでは、これはまさに望まない挙動です。そして raise_exceptions=True が変えるのはまさにこの点で、テストからはサニタイズ後のメッセージではなく本来のメッセージが見えるようになります。
テストでは有効にしたままにしてください。本番コードでは意味を持ちません。
デフォルトはインプロセス
Note
Client(mcp) はインプロセスで接続し、デフォルトではプロトコルの世代を問いません。サーバーを調べ、適切なプロトコル経路を選びます。テストがレガシー固有のセマンティクス(サンプリングやエリシテーション(elicitation)のプッシュ、message_handler)を検証する場合は mode="legacy" に固定し、その場合は raise_exceptions=True を外してください。レガシー接続はそもそもサニタイズを行わず、このフラグを付けると失敗がテストの中ではなくサーバータスクの中で再送出されてしまうからです。
この 1 行こそが、このドキュメントが「掲載している例は動く」と約束できる理由でもあります。すべてのサンプルファイルは SDK 自身のテストスイートで実行されており、そのほぼすべてがまさにこのクライアントを経由しています。SDK が自分自身に対して使っているのと同じツールを使っているわけです。
これで、きちんと動く、テスト済みのサーバーが手元にあります。実際のアプリケーション(Claude Desktop や IDE)に組み込む方法は 実際のホストに接続する に、それ以外の提供方法はすべて サーバーの実行 にまとまっています。